この一ヶ月のことは、きっと一生忘れない。
この一ヶ月で出会った人たちのことも、一生忘れない。

千葉県いすみ市で開催された「田舎フリーランス養成講座」の講師を務めた2018年3月。
私にとっては、楽しくて苦しくて…
そして、最高の一ヶ月でした。
目次
講師をやると決めたのは開講の4ヶ月前
去年の10月下旬、田舎フリーランス養成講座(以下、いなフリ)の統括として一ヶ月を終えたばかりのぼりさん(@borilog)から一通のメール。
「いなフリの講師やらない?」
一緒に組んでやりたい、と。
もともと興味はあったものの、いなフリを受講することも関わることもなかった私。
そんな私でいいんだろうかと不安にも思ったけど、「やってみたい」という自分の直感にしたがってオファーを受けることに。
2018年3月にいすみでいなフリが開講することと、そこに私が講師として参加することが正式に決まったのは、10月31日。
私の31歳の誕生日でした。
不安な気持ちを抱えながらスタートした一ヶ月

いなフリに関わる場合、開催地付近のシェアハウスに滞在して一ヶ月を過ごすことになります。
千葉県いすみ市という、知らない場所。
初めてのシェアハウス暮らし。
未知の世界だった田舎フリーランス養成講座という存在。
塾講師のバイト以来となる、講師業。
慣れないことばかりで、不安な気持ちがなかったといえば嘘になる。
「私が講師やメンターで、本当にいいんだろうか?」とも思った。
だけど、やると決めたからには絶対いい一ヶ月にしようと心に決めてスタートを切った3月5日。
田舎フリーランス養成講座いすみ3期が始まりました。
「私にしか伝えられないこと」を講座に

担当する講座が決まってまず考えたのは「私に教えられることは何だろう」ということ。
もちろん、一定レベルの知識を教える必要はあります。
だけど今回、私が講師として参加している以上、私じゃなきゃ伝えられないことを伝えておきたかった。
私だからこそ伝えられることもある、と思った。
だから、講座の構成や資料を作るのには頭を悩ませました。
私じゃなくてもできる講座なら、私が講師になった意味がない。
その意図が伝わっていたらいいな。
メンターとしてワクワクさせてあげたかった

講師以外にも、「メンター」という仕事がありました。
メンターというのは、受講生の話を聞き、相談に乗り、今後の方向性を一緒に考えていく人のこと。
また、進路や仕事の進め方だけでなく、精神的なサポートもしていきます。
私が担当したのは、3人の女の子。
みんなそれぞれに個性があり、経歴も得意なことも目指すものも違う。
その3人と毎日話をして、この一ヶ月の過ごし方を、そしていなフリが終わった後のことを一緒に考えました。
まず言えるのは、こんなに他人のことを考えた一ヶ月って他にないってこと。
これまで自分のことを考えるので精一杯だった私だけど、自分のこと以上にその3人のことを考えました。
特に「何をしたらワクワクするのか」を考えた。
せっかくフリーランスという生き方を選ぶかもしれないのに、ワクワクしないことを無理やりやるんじゃ意味がない。
だから、ワクワクする未来が見える状態であってほしいなと思ったんです。
ワクワクする自分が見えていれば、必ず出くわす踏ん張りどきも乗り越えられるから。
どんな状況でも楽しんで生きていくことができるから。
だから私は常に、目の前にいる受講生が「イキイキしているか?ワクワクするものを持っているか?」を見るようにしていました。
少しでも「楽しめていないかも」と思ったら、他にどんな道があるのか、どんな手段を取るべきかと考えていました。
人が成長していく過程をみる、という体験

講座が進む中で、受講生たちはスキルを身に付けたり発信をしたりとグングン成長していきます。
何をやりたいのか自分と向き合い、涙を流しながらプロフィール記事を書き上げた人。
メンターと話をして、自分のやりたいことを見つけていく人。
そのための第一歩として、受講生向けにサービスを提供し始める人。
SNSの発信がきっかけで、バズって一気に仕事をもらった人。
自分に合わないジャンルを知り、他のやりたいことを見つけた人。
やりたいことのために、ライスワークと割り切ってクラウドソーシングで稼ぐ人。
……
いなフリでは、必ずしも「フリーランスになろう」と言っているわけじゃありません。
だからいろんな働き方があっていい。どんな道を選んだっていい。
だけど、自分と向き合うことだけは避けちゃいけない。一番苦しいかもしれないけれど、避けちゃいけない。
その「向き合う」作業を通して、人は成長していくんだと思うんです。
そして受講生はみんな、「向き合う」作業を怠らなかった。
その結果、めまぐるしいスピードで成長していきました。
人が成長していく姿をこんなスピード感で、そしてこんなに間近で見る機会なんてありませんでした。
「いすみ市に住んでみたい」と思えるほど満喫

平日は講座や作業で忙しく一日が過ぎていきますが、土日は基本的におやすみ。
ということで、受講生や講師の人たちとお出かけしていすみ市内を満喫しました。
おしゃれなマクロビカフェがある『Brown’s Field』へ行って、広がる自然とマクロビ食を堪能したり

マクロビランチプレート

ヤギもいました
大原漁港の朝市で、美味しい海の幸をいただいたり

お目当のタコしゃぶをいただきます

海のそばで写真もたくさん撮りました
hinodeの近くにある大原海水浴場で写真もたくさん撮ってもらって


高秀牧場や線路沿いの菜の花畑に感動。

線路沿いに広がる一面の菜の花

「いすみで暮らすのも楽しそうだな」と思えた一日
こうして一緒に遊んだ休日も、大切な思い出の1ページ。
「私でよかったんだろうか?」の答えをもらった最終日

そうして、実感もなくあっという間に訪れた最終日。
全てのカリキュラムが終わって、統括のぼりさんが
「これで以上です。お疲れ様でした!」
と言った瞬間、あぁ本当に終わったんだなと感じて妙に寂しくなったのを覚えています。
私がメンターをしていた3人の子たちとも、最終面談。
そこではもう、みんなに労いの言葉をかけて、私の感じたことを伝えることしかできません。
それでも
「ユキガオさんがメンターで本当によかった」
「ユキガオさんじゃなかったら、目標達成できなかった」
と言われて、あぁ私でよかったんだと思えて、もう涙が止まらなくなって…
お互いに泣きながら抱き合って、何だかもう胸がいっぱいになりました。
その夜に開催された修了パーティーでも、講師や受講生から一言ずつ挨拶。
はっきりと理由はわからないけど、やっぱりここでも涙が止まらなくて。
悲しいわけでもないし、嬉し涙ともちょっと違う。妙に胸が熱くなって…
この一ヶ月の記憶や感情が込み上げてきて、それが涙になったとしか思えない。
またここでも泣きながら抱き合ったんだけど、その時に浮かんだのは「感謝」だった気がするんです。
私をメンターとして、最後までついてきてくれてありがとう。
懸命に自分自身と向き合ってくれてありがとう。
それぞれに自分だけの道を見つけて、それに向かって進んでくれてありがとう。

私の言葉が、私の想いが、少しでも届いたなら本当によかった。
一ヶ月間、よく頑張ったね。お疲れさま。
だけどここは終わりじゃない。ここからみんなの人生は、また始まっていくんだ。
ワクワクしながら生きてね。自分の心に正直に生きてね。
みんなの未来は必ず輝くよ。絶対に大丈夫。
不安でいっぱいだった私に自信をくれたのは、他でもない受講生のみんな。
最後にサプライズでもらった色紙には、みんなからのメッセージがびっしりと書き込まれていて、何度読み返しても涙が出る。
ありがとう。
私は、ここに来てよかった。
「私でよかったんだろうか?」の答えは、「よかった」になったよ。

一ヶ月間の田舎フリーランス養成講座が終わって泣いてしまう気持ちを、これでもかというほど実感しました。
みんな、ありがとう。 pic.twitter.com/LiHBfKkANr
— ユキガオ (@yukigao_22) 2018年3月30日
一生ものの仲間を得られる一ヶ月間

「一ヶ月前に出会ったばかりだなんて信じられないよね」
そう何度も繰り返し話していた受講生たち。
それくらい、お互いに何でもさらけ出せる仲になったということ。
泣いてる姿も、必死に頑張る姿も、悔しい表情も、情けない顔も、全部知ってるからこそ信じ合える。支え合える。
フリーランス養成講座いすみ3期の受講生には、そんな頼れる仲間ができました。
フリーランスになって、同期ができるなんてことはほとんどない。
でもここでは、一ヶ月を共にした同期がいる。そしてそのあともずっと繋がっていられる。
本当に素敵な場所だなと思いました。最高に熱い一ヶ月だなと思いました。

私はいつかまた講師をするかもしれないし、もう二度とやらないかもしれない。
だけどそんなことはどうでもよくて。
ここ千葉県いすみ市で過ごした一ヶ月のことは、もう一生忘れない。
そんな最高の一ヶ月間でした。
関わってくださった皆さん、本当にありがとうございました!
ユキガオ
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