
近年、ハンドメイド雑貨の人気はとても高く、全国各地で「手づくり市」「ハンドメイドマルシェ」といったイベントが開催されています。
私も先日「京都ハンドメイドマルシェ」に行ってきました。
#京都ハンドメイドマルシェ に行ってきました!
回ってて気づいたのは…
✔︎クレカ決済(Square)導入してるお店が多い
✔︎ほとんどのお店がインスタやってる
✔︎ショップカード必須+SNSやHPのQRコードを記載
✔︎目を引くのは世界観のある展示すごく勉強になった〜!
私も来年出店したい🙋♀️ pic.twitter.com/8DlkxwOXGY— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年10月27日
出店数もお客さんも多く、販売されているものはどれもクオリティが高い。ジャンルもさまざま。
ハンドメイド人気を肌で感じました。
そんな中、よく思うのは
「ハンドメイド作家さん、自分の作品に値段つけるの苦手な人多いよね…!?」
ってこと。
多くの人が趣味から始め、やがては手づくり市やインターネットでの販売…という形で作品を作っていると思います。
だけど、その過程でぶつかる壁が値付け。
機械で均一に作っているわけでもブランドがあるわけでもなく、自分が手作りしたものだから…という理由で値付けできなくなるのがハンドメイドの難しさです。
かくいう私も、自分の作品を販売し始めるときは破格(まさに赤字プライス)でスタート。
Twitterで告知するときも不安で不安で仕方なかったのを覚えています。
だけど、あれから2年ほど販売を続け、その途中で値上げをしたり商品追加をしたり…試行錯誤してきた中で思うのは、「値段=価値である」ということ。
- 自分の作品に値付けができない…
- 安すぎる価格で売っていてつらい…
そんなハンドメイド作家さんに向けて、値付けするときに考えたいことをお伝えします!
適正な価格は、自分が活動を続けていくために必須
自分の作品に値段をつけるのが苦手なクリエイターさんは多い。
だけどその作品が…
✔︎自分にしかつくることができない
✔︎自分が作ることに意味がある
✔︎買ってくれた人に何かしらの価値を提供できるというものならば、自信を持って値付けしたらいいと思う。
安売りしてたら、いつか潰れる。
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月9日
このツイート、私自身がそうだったのもあるし、周りにいるクリエイターの方々もそうだなぁと思って呟きました。
初めて自分の作品に値段をつけるとき。
初めて誰かにそれを買ってもらうとき。
つい控えめに値段をつけたり、値段をつけること自体をためらって売るのを諦めたり…そんなクリエイターさんたちを周りで見ていて、すごくもったいないなぁと思うんです。
仮に売ったとしても、原価+αくらいの安い価格で販売していたら、制作を続けるだけの収益を得ることができずに潰れてしまう。
だから適正な価格で販売することが大切だと考えています。
作品/商品の持つ価値=価格となる
適正な価格で販売することが大切なのは分かっていても、一体いくらに設定するべきなのか悩むと思います。
最近では「ハンドメイドは原価が安いから安く販売すべき」なんて声も上がっているとか…
でも、本当に価値があるものであれば値段がどんなに高くても売れます。
価格が価値に見合っていればOK。
つまり自分が売りたい価格で買ってもらおうと思ったら、作家として作品の価値を上げる努力が必要なんです。
「ハンドメイド品の価格が高い」という話題、生産量や生産効率を考えれば、工場でライン生産するより手作りのほうが値段が上がってしまうのは当然で。
だから作家側としては、効率化すると同時に、お客様に「これしかない」と思ってもらえるよう商品の付加価値を上げる努力が必要だと思うんです。
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月6日
たとえば陶器の場合、「器として料理を盛ることができれば100円のものでもいい」という人はいるわけです。私もかつてはそうでした。
だけど
✔︎料理に合ったお皿を使いたい
✔︎お気に入りのマグカップを使って気分を上げたい
といったモチベーションで器を買う人もいる。それは価値観の違い。
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月6日
何に価値を感じるか、は本当に人それぞれ。
だからといってすべての価値観に合わせる必要はなくて。「自分の価値観を商品に投影し、それに共感してくれる人に買ってもらう」のが自然なのかなぁと。
もちろん価値以上の価格では売れないので、プライシングは作家にとって大きな課題のひとつですが…
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月6日
最終的にハンドメイド品の価格については、「自分が経験していないことに対して人は想像ができない」という前提が必要で。
①工程がわからなくても価値を感じられる
②制作工程を伝えてそこに価値があることを知ってもらうこのどちらかで価格に納得してもらったらいいんじゃないかな、と思います。
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月6日
いろいろな作品が売られていて、その中から手にとって購入する…という段階までいくためには、それなりに価値を感じなければならない。
実際、自分が買うときも「これは運命の出会いだ!」って思えるくらい一目惚れしない限り、どこに価値があるのか分からないと買わないですよね…
だから
- 工程がわからなくても価値を感じられる
- 制作工程を伝えてそこに価値があることを知ってもらう
このどちらかがないと、自分の売りたい価格で買ってもらうのは難しいと思います。
逆に、どこかで価値を感じてもらえれば作品を買ってもらうことができるんです。
まずは販売してみることから始める
そうは言っても、自分の作品を初めて売るときって不安になりますよね…
だから私の場合は
- 友達に無料でプレゼント
- 格安(実質赤字)で販売
- 値段UP(材料費+手間賃少し)
- さらに値段UP
というステップを踏んで、売ることに少しずつ慣れていきました。(今でも買ってもらうときはドキドキしますが…)
私が自分の作品に値段をつけられるようになったのは…
①友達に無料でプレゼント
②格安(実質赤字)で販売
③値段UP(材料費+手間賃少し)
④さらに値段UP(今)というステップでした。
もちろん、同時に作る技術も上げたし付加価値も増やした。
価値や値段については考え続ける必要がある。
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月9日
途中で何度か値上げをしていますが、それはたくさんの作品を一つひとつ真剣に作って技術を上げ、実績を積んだから。
むやみやたらに値上げしても「相応の価値がない」と見られて売れなくなります。
クリエイターとして作品を作る以上、常にスキルを磨き続けることは大前提。
その上で、こういったステップを踏むのは有効かなと思います。
作家として作品を売ろうとしたとき「誰も買ってくれないんじゃないか」って不安になると思うんですけど…
\安価でもまずは売ってみる!/
安売りは良くないけど、実績がないうちは安価でも「買ってもらえた」という成功体験がすごく大事。
値上げはそのあとでもできるから大丈夫🙆♀️
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月10日
まずは小さな成功体験を積むのがポイント。
「いくらで売るか」は市場に聞いてみる
ここまで、「ちょっとずつ値段を上げたらいいよ」という話をしてきましたが、そもそも自分の作るものがいくらなら適正なのかってわからないもの。
たとえばお茶碗ひとつ売るのに、
- いくらなら安いのか?
- いくらなら高いのか?
と問われてすぐに答えられますか…?
普段から気にかけてお茶碗売り場を見ていない限り、なかなか答えられないと思います。
そう、いま世の中で売られている価格と比べて値段を決めるのが一番早いんですよね。
そもそも作品の値段をいくらにしたらいいのか迷う場合は…
①似たような商品の市場価格を調べる(ネット、雑貨屋、手づくり市等)
②その商品の価値を考える
③自分の作品の価値と比較して値段を決定
④実際に販売して、売れなければ値段or価値を見直すという流れでやってみるのがオススメです☝️
— ユキガオ|物書き陶芸作家 (@yukigao_22) 2018年11月10日
まずは自分が売りたいものと同じジャンル(似たものでOK)の市場価格を調べる。これは、インターネットでもいいし、手づくり市などへ行ってみてもいいでしょう。
その上で、自分の作品と比較して価格を決めるというやり方なら、案外簡単に値段設定できますよ。
実際にその値段で売られているということは、買う人がいるということなので、ぜひ参考に。
ちなみに私はネットショップでこのように販売しています↓
インターネットでどう発信していくか?がこれからの鍵
ハンドメイド雑貨はこれまで実店舗や手づくり市などリアルの場で売られることが多かったんですが、最近はインターネットを通して販売されているものも増えてきました。
minnneやcreemaなどハンドメイド品の売買プラットフォームもあって、いつでもどこでもハンドメイド品を買うことができます。
だけど、手にとって実際に見なくても買う人が増えたからこそ、インターネットでの発信力が問われるのかなぁという気がするんです。
手軽に買えるなら、誰から買ってもいい。
手頃な値段で、それなりのクオリティでいい。
でも「この人だから買いたい」と思ってもらえるようになりたい。
そう考えたら、ただ作って売って…だけじゃなく、
- どんな人が作っているのか
- どうやって作られているのか
- どんな思いが込められているのか
というところまで、インターネット上で伝える必要がある。
じゃあそのために、どうやってSNSやブログを活用していくのか…そこが鍵なんだと思います。
そんな中、12/16(日)に大阪で「クリエイターのためのSNS・ブログ運用」というテーマの勉強会が開催されます。
ここでは私が登壇して
- クリエイターのSNS運用のポイント
- SNSを使って作品を見てもらう方法
- ブログを使って作品を紹介するコツ
などをお話しする予定。
クリエイター向け勉強会&交流会06
開催日時:12/16(日)18:00~20:00
場所:創作空間caféアトリエ(大阪府大阪市浪速区日本橋西一丁目5-5ミズホビル5F)
参加費:2,000円
これから発信に力を入れたい、インターネットを活用したいと思っているクリエイターさんはぜひお越しください。(質問にもどしどしお答えします)
お申し込みはこちらからお願いします!
ユキガオ
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