【家入一真氏に学ぶ】クラウドファンディングのコツとお金への価値観

こんにちは、脱サラして京都に引っ越したユキガオ(@yukigao_22)です。

先日、家入一真さんが京都精華大学のゼミで講義されていたので、参加してきました。

一般開放されている講義だったんですが、学外の人はごく少数…全員で20人もいないくらいの中、たっぷりと話を聞くことができました。

講義のテーマは今話題の「クラウドファンディング」

開催場所が芸大ということもあり、アーティストにとってのクラウドファンディングについても話してくれました。

作品を売るのは「悪い」こと?

そもそも「作品をお金に換える=かっこ悪い」と感じる人は多いんだそう。

  • 売れなくてもいい
  • 作ることに意味がある

そう言って、作品を売ることに嫌悪感を抱く。

この話、ドキッとしたんですよね。私自身もそうだから。

BASEで作品を売ってますが、自分が作ったものでお金をもらうことにまだ少し抵抗があるのも事実。

yukigao.base.ec

で、家入さん曰く「本当にかっこ悪いのは、なぜ嫌悪感を抱いているのかモヤっとしたままの状態」なんだとか。

「もしお金・時間があったら何をしたいのか?」を向き合って考える。

私もこれまで「なんとなく」で抵抗を感じてましたが、ちゃんと言語化しないといけないってことなんですよね。

クラウドファンディング 5つのメリット

クラウドファンディングとは、簡単に言えば資金集めです。銀行ではなく、一般大衆(crowd)から資金を集める(funding)というもの。

自分でプロジェクト(何をするための資金集めなのか?)を作って掲載し、目標金額やリターンを決めればOKです。

家入さんは、このシステム(特にCAMPFIRE)のメリットについて、5つ挙げていました。

camp-fire.jp 

①資金集めが簡単

誰でもすぐに始められるし、難しい手続きや審査もいらないので楽。

そしてすぐに始められる分、スピーディー。

②テストマーケティングに使える

売れるかどうかは「支援されるかどうか」で見極められるんですよね。

プロジェクトが失敗すればそれは市場に出ても売れない。成功すれば売れる可能性のある面白いものだってこと。

③在庫リスクの低減

普通の商売なら、ある程度のロットで商品を作り、その後に売り出す。

だけどクラウドファンディングなら作る前に資金が集まるので、余剰在庫を抱える心配がいりません。

たくさんの在庫を抱えたまま倒産…なんてリスクがないんです。

④フィードバックがもらえる

支援したことがある人なら分かると思いますが、支援する際にコメントを入力します。

ここで「もっとこんなものが欲しい」といった提案をもらえることも。

⑤PRに使える

支援者が増えるとメディアに取り上げられることがあります。

ものを売る人にとって知名度を上げられるのは大きなメリットになりますね。

クラウドファンディングを成功させるコツ

そんなクラウドファンディングにも、成功しやすいプロジェクトとそうでないものとあるんだそう。

成功しやすいプロジェクトの真似をすれば、成功確率は高くなる。じゃあ成功パターンってどんなものでしょう?

①共犯関係を作る

一緒に何かをやり遂げるタイプのプロジェクトがまさにそう。

ホームレス小谷さんの「町を作る」みたいな。

camp-fire.jp

支援者にリターンを送るだけじゃなく、巻き込むことが大事なんだとか。

②クリエイティブなリターン

例に挙げられていたのは「iPhone画面が割れたからお金を集める」というプロジェクト。

クラウドファンディングすべきか?と思うようなタイプですが、リターンがオリジナルTシャツや実家で作った米など、結構嬉しいし面白い。

そういうクリエイティブさがあれば、プロジェクトは成功するんだそうです。

もちろん、熱量(やり遂げたいという意志、熱い思い)も大事。

だけどそれだけじゃ「支援しよう」と思う人は限られてくる。そこで、いかに面白いことを考えて巻き込むかが肝心なんですね。

アーティストにとってのクラウドファンディング

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アーティストって、とにかく最初はお金がないもの。

これが今までの常識でした。

それを打破したいのが、このCAMPFIREなのかなと感じたんです。その理由は

  • 資金を集める間に制作ができる
  • 少ない手数料で利用できる
  • 少額でも使いやすい

という点。

アーティストが活動をするためには、どうしたって資金と時間が必要になります。

私も陶芸をやるためには原料代や焼成費がかかるし、納得のいく作品を作るためには時間がかかってしまう…

だからってバイトしてお金を稼ぐと、今度は制作の時間が取れなくなる。

このジレンマを解決してくれるのがクラウドファンディングなんですよね。

個展を開くにも数万〜十数万円かかるから、それをCAMPFIREで調達する。そして十分な時間をかけて作品を作る。

これって理想ですよね?

私はまだ自分を「アーティスト」と呼べないけど、アーティストだったらすごく有難いシステムなんじゃないかな。

「お金があれば幸せ」じゃなくなった今

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お金に対して、あなたはどんなイメージを持ってますか?

大事?汚い?もっと欲しい?

私はサラリーマンとして9年ちょっと働いて、お金の価値観が変わりました。

働く前はとにかく「何をするにもお金が必要!」と思ってたんですが、いざ稼ぐようになったら「お金があっても満足できないことがある」って気づいたんです。

以前、消費するより生産したいという記事を書きました。

そこにもあるように、お金があってもただ消費するだけじゃいつか飽きちゃう。だんだん自分で生産したくなるんです。

誰かが作ったもので感動するだけじゃなく、自分の作ったもので誰かが感動してくれたらいいな、って。

そう考えたら、お金は「あればいい」と言い切れるものでもないんだなぁと感じます。

家入さんが仰ってたことで、印象的だったのがこのフレーズ。

お金はコミュニケーションツール

クラウドファンディングに話を戻しますが、金銭的に支援してリターンを受け取るだけじゃなく、そこに少なからずコミュニケーションが生まれる

それこそが大事なことなんだと、家入さんは言います。

お金を通して誰かと繋がり、そこにコミュニティが生まれる。

クラウドファンディングには、そういう楽しさもあるんですよね。

今、自分に何ができるだろう?

少子高齢化が進んだ今、年金問題だとか税金とか、お金に関する不安はある。

だけど、お金って溜め込んで自分だけのために使うものなんだろうか?

もちろん価値観はそれぞれだけど、私はお金をもっと有意義に使いたいなって思ってます。

そしてお金に限らず、自分の持っているもの(能力とかアイデアとか)をお互いに提供し合う、物々交換のような時代になったらいいな。

誰かが困っていて、それを自分の持つ何かで救えるなら手を差し伸べる。

自分が困っていたら、他の誰かの力で助けてもらう。

そうしたら、きっともっと温かくて居心地のいい世界になるんじゃないかな。

そんなことを考えさせられた、家入一真さんの講義でした。

また機会があれば家入さんの講義を受けたいし、他の面白そうなイベントにも参加しようと思います!

家入さんの新刊も読みましたが、めちゃめちゃオススメです!

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ユキガオ

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長崎生まれ・神奈川在住の陶芸家。会社員10年目で脱サラし、好きなことして生きていくために奮闘中。
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