
こんにちは、通信制大学で陶芸を学ぶユキガオ(@yukigao_22)です。
「好きこそ物の上手なれ」って言葉、一度は聞いたことありますよね?意味をネットで調べると、こう書いてあります。
どんなことであっても、人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早いということ。
故事ことわざ辞典より
説明は不要なくらい、広く知られていることわざですね。
だけどふと、この「好き」を「数寄」に置き換えて考えてみたら、面白いんじゃないかなって思ったんです。
「数寄」ってどういう意味?
昔の言葉で「すき」って読むんだけど、LikeやLoveと同じような意味だよ
じゃあ結局「好き」と一緒なんじゃない?
そうなんだけど、「数寄」が使われる時って、もっと違う意味があるんだよね
「歌数寄」に込められた理念

「数寄」と聞くと茶の湯を思い浮かべる人が多いかもしれません。確かに「数寄屋」は茶室のことだし、「数奇者」は茶人を意味します。
だけど「数寄」はもともと歌=俳句を詠む人に対して使われていたそうです。それが「歌数寄」です。
この言葉には大きく4つの教えがあります。
- 歌を一生の仕事にする
- 仏教を信じて学ぶ
- 山中に閑居する
- 優れた歌を学ぶ
これらを守ることこそが「歌数寄」であると考えられるということです。
簡単に4つ挙げましたが、これって守るのすごく大変なんですよ。特に3つ目は、ただ山にこもるんじゃなくて日常を全て捨ててこもるんです。
つまり、お金も家も家族さえも捨てて山中でひたすら歌を詠み続けるということ。それを一生続けるということ。
茶の湯の理念である「侘数寄」になると、そこまで厳しい教えではなくなりましたが、元々はこれだけの厳しさを乗り越えてこそ「数寄」だと考えられてたんですね〜。
「好き」を「数寄」に置き換えてみたら…
じゃあ「好きこそ物の上手なれ」を「数寄こそ物の上手なれ」に置き換えて考えてみたらどうだろう?
歌数寄の教えのように
- 一つの物を一生の仕事として捉え
- いい物を作るための教えを信じ
- 雑念や欲を捨て去り
- 過去の優れた作品をひたすら学ぶ
これを守ることで早く上達できる…
うん、悪くない
なんとなく当てはまっちゃいますよね。
「歌数寄」の概念を学んだ時すぐに、元は「数寄こそ物の上手なれ」だったんじゃないかなって思ったんですよ。
※調べてもそれらしい資料は出てこなかったけど
それくらい一つのことにすべてを注いで熱中してこそ、いい物ができるんじゃないかなって。
エネルギーの出し惜しみをしない
さっきの例は極端でしたけど、「自分はこれをやっていくんだ!」って強い思いを持って取り組むって大事だと思うんです。
昔みたいに全て捨てて山にこもる必要はないけど、余計なことを考えずにひたすらやり続ける。
自分には向いてないかも…
失敗したら大変だ!
そんなことは考えずに、素敵だと思えるものを見て学び、自分も素敵なものが作れるように日々努力する。
それこそ、上達の近道だと思うんですよね。
そこにはもちろんLikeやLoveの感情がないとダメ。好きでもないものに対しては、そもそもそんな情熱持てないですからね。
だけど「好きだな」って思って夢中になれるなら、エネルギーの出し惜しみをしないで取り組む。力を分散させないように、そこに集中する。
「数寄」という言葉からは、そういうことを教わった気がします。
好きなことだから毎日楽しめる
私は、やりたいこと(陶芸)に全エネルギーを注ぎたくて会社を辞め、山奥のアパートに引っ越しました。
「数寄」の概念を知ったのはつい最近ですが、なんとなくまさに同じ境遇だなぁなんて思って面白かったんですよね。
歌数寄みたいに自分に厳しくはないけど、自分の好きなことだから頑張れている部分がある。好きなことだから、ずっと続けたいと思える。
そういうものを見つけられたことは、すごく幸せなことかもしれない。
この先どんなことがあるかは分からないし、本当に一生やり続けるかも分からないけど、今こうして熱中できるものがあるから楽しい。
それだけで人生がぱぁっと明るくなる気がします。
もし今好きなことがある人は、ぜひ熱中してみてください。きっと今より楽しい毎日になると思いますよ。
ユキガオ
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