
こんにちは、ユキガオです。
陶芸を始めてから周りには陶芸をする人たちばかりになりました。そこで不思議に思うのは「みんな何で陶芸を始めたんだろう」ってこと。
陶芸って「定年後の趣味」って感じするよね
(お前が言うか)
確かにそうかも。若い人がやってるイメージ、あんまりないね
陶芸家って国宝か趣味か、どっちかみたいなイメージある
うん、それは失礼だね。
だけど今陶芸やってる人たちは、何がキッカケだったんだろう?
動画で聞きたい方はこちらをどうぞ↓
いつも身近にあったやきもの
私の地元にも、やきものの街がありました。小学生の頃は、社会科見学で絵付け体験をさせてもらった記憶があります。
やきものは食卓でも使うものだから、誰でも馴染みはありますよね。だけど私の場合は、愛知県に住んでいたことが大きいと思うんです。
愛知県は瀬戸焼・常滑焼があるだけでなく、隣の岐阜県に美濃焼もあるなど、とにかくやきものに恵まれた場所。陶器祭りなんかも多くて、ちょこちょこ見に行ってました。そうしてるうちに、陶芸体験ができることを知ったんです。
瀬戸で初めての陶芸体験
私が陶芸体験をしたのは瀬戸市にある工房。ご夫婦で運営されていて、とってものどかな場所にあるその工房に行ったのが、2015年の冬でした。
恋人とのデートで陶芸やってみよう、なんていうごく普通の理由だった陶芸体験。手法なんて何も知らないから、とりあえず電動ろくろで作らせてもらうことにしました。

これがその時の様子。うん、必死。
ここには写っていませんが、工房の先生が手を添えながら教えてくれてたんです。むしろ、手を添えといてもらわないと上手く作れない!!とにかく難しいんです…
それでも何とか形にして、作ったのがこれ。

真ん中のは…まぁそういうことです。
この中から1つ選んで焼いてもらうことに。難しかったけど、久々の土の感触に癒されたし、静かに集中してろくろをひくのが本当に心地よかった。またやりたいと思った初めての陶芸体験でした。
陶芸の魅力を知った瞬間
焼いてもらったうつわは、自分たちで取りに行くことに。再び工房を訪れたのは、年が明けて少し経った頃でした。
工房に電話をしていたので、私たちが着いたらうつわが用意されていました。それを見た瞬間の感情は、今でも忘れられません。
なんだこの綺麗なうつわは!!

自画自賛もいいとこなんですけどね、実は自分の力じゃないんです。やきものは、土で成形した後に一度焼き、そこに釉薬を掛けてもう一度焼くことで完成します。釉薬のおかげであのツルツル感が生まれるんです。
私が最後に見たのはただの土のかたまり。だけど今目の前にあるのは、ちゃんとしたうつわ。最終的に仕上げたのは先生だとしても、これを私が作ったのかと思うと感動しちゃったんですね。
この時の感動が、私を陶芸の道に連れて行った動機です。それくらい大きなものを、瀬戸の陶芸体験は私にくれたんです。
陶芸を仕事にしたいと思った
その頃、仕事が辞めたくて辞めたくて仕方なかった私。でも辞めてどうするの?っていう問いに答えが見出せずにいました。
そんな時にこの陶芸体験があり、陶芸家という仕事を初めて意識したんです。陶芸家という職業があることは知っていましたが、自分とは無縁の世界だと思っていたので「職業」であるということすら忘れていました。
全然知らない世界。だけど確実に自分の手でものが作れる世界。そうか、私はものづくりがしたかったんだ、と気付いた瞬間でした。
本格的に陶芸を学び、自分でうつわを作れるようになりたい。そう思って、通信で通える学校を探し、そこへの入学を決めたんです。入学許可通知が来た時点で、もう心は固まってました。
会社を辞めて、この道にエネルギーを注ごうと。
人生の責任は自分が取ればいい
陶芸体験なんて誰でもやってるし、たった一回で決めちゃっていいの?
それね。自分でも思ったし、工房の先生にも心配された。多分、会社の人に言っても同じこと言われる気がしてた
それなのに、なんでそんな道を選んだの?
まぁ、直感だよね
こんな風に始まった私の今の道。初めて自分で「これがやりたい」って思えた。だから、道を変えるなら今なんだって思った。安全な場所から抜け出して、まだ道すらないような草むらを進んでみようって。
それが逃げだと言われるなら、それでも構わない。私は今まさに草むらの中でもがいてるところ。道ができてるのかどうかも分からない。でもやるって決めたからやる。私を動かしてるのは、それだけ。
陶芸でもなんでも、自分が好きになってやりたいと思えたことは、やってみればいいんじゃないかなと思うんです。やってみないと分からないし、その道を選ぶ理由ばかり考えてたら絶対に進めないから。
自分の人生は、自分で責任を取る。
そう思えたなら、なんでもできる。誰に何言われようと、まっすぐ立っていられる。そんな気がします。それは私だけじゃなくて、誰だって。
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ユキガオ
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